映画のロゴマーク

僕には大好きな映画がある。今までにいったい何回見ただろうか。今でも、週末には必ず見るぐらいに大好きな作品だ。主題歌を聞いたり、映画タイトルのロゴマークを見たりすると、わくわくと胸が高鳴る。目を閉じると、まぶたの裏にロゴマークが焼きついて見えるぐらいだ。僕にとってこの映画は、もはや映画以上の代物である。
【桃源郷の今】(4)

 私をブータンに招いてくれた内務省勤務のキンレイ・ワンチュクさん(46)は、首都・ティンプーから車で2時間ほど離れた集落で6人の家族と暮らす。近代化の波が押し寄せる前のブータンを知るキンレイさん夫婦や、激変する社会の中で育った22歳から11歳までの子供たちと寝食を共にさせていただくと、今のブータン人の縮図を見る思いがした。

 就職活動中の長男、ソナムさん(22)は私に付きっきりでブータン中をドライブしてくれた。ソナムさんと同級生たちは、伝統的思考と近代的生活のはざまにあった。

 彼らは会社や寺に行くとき以外、民族衣装をほとんど着ない。頭は整髪料で固め、黒い革ジャンにジーンズ姿が人気だった。

 見かけは日本の私たちとそう変わらないが、内面は素朴だ。ある友人は「ボクがたばこを吸っていることはお父さんに言わないで。殴られる」と私に耳打ちし、ティンプーの会社員は「ボクの母親のご飯をごちそうしたいのだけれど、今日は家に誰もいないから外で食べよう」と誘ってくれた。日本人の感覚では、二十歳を越えた男性の言葉にしては違和感があるのではないか。

 「ボクの友人はガールフレンドが10人以上いるけれど、ボクは違う。女の子の友達はいても、ガールフレンドじゃない。ガールフレンドができたら、多分、その人がボクのお嫁さんだ」と語る男性もいた。

 ソナムさんはドライブ中、「あのわき水はどんな病気にも効くんだ」「あの峠には悪魔がいるといわれていて・・・」と仏教や地域の説話を私に教えてくれた。私の滞在中に飛行機やバスの事故が相次いだので、「まるで私がブータンに悪運を持ってきたみたい」とぼやくと、ソナムさんは「そんなこと言わないで! 死んだ人はそういう運命だったんだ。ボクだって明日、死ぬかもしれないんだよ」と血相を変えて反論した。

 信心深いソナムさんも、新技術を搭載した電器製品に興味津々だ。最短30日で医師☆求人&を愛しています自慢の携帯電話は日本円に換算すると約1万4000円。一般的な労働者の月収に近い高額な品で、父のキンレイさんに2カ月前に買ってもらったという。「ボクは新技術に夢中だ。新製品が出たらほしくてたまらない。今度は天体望遠鏡を買って月を見てみたい」。街灯のない暗い夜道で、ソナムさんは空を見上げた。

 キンレイさんの家族は、妻のザムさん(44)以外はみんな英語で会話できる。学校教育が国語のゾンカ語の授業を除き、英語で行われているためだ。ただ、家族や友人との日常会話はゾンカ語だ。

 ドライブ中にマイケル・ジャクソンの曲をかかったので、ソナムさんに「英語とゾンカ語、どちらが好き?」と尋ねると、「英語の歌は早口で何を言っているか分からないんだ。子供の時から使っているゾンカ語の方が気持ちを表現しやすいから好き」との返事だった。そして、「11歳の弟の世代は違ってくるかもしれない。あいつは時々、友達同士でも英語で話しているよ」と付け加えた。

 弟に聞いてみると、「ボクが好きなのはマイケル・ジャクソン。お兄さんはゾンカ語の歌が好きだけれどね」と語り、19歳の妹は「ゾンカ語は普段の会話で使うけれど、書くのは苦手。その点、英語の方が楽よ」ということだった。

 キンレイさんによると、若者のゾンカ語の読み書き能力の低下は著しく、首都のビジネスマンらは日常会話でも英語を使い始めているという。

 キンレイさんの家で、妻のザムさんが機織りをしていた。夫の民族衣装を仕立てているそうだ。「娘たちはまだ機織りのやり方を知らない。学校を卒業したら教えないと」という。

 家族はみんな英語のテレビ番組を楽しんでいるが、ザムさんは英語が分からない。「昔の生活と今の便利な生活、どちらが好きですか?」とザムさんに尋ねてみると、思わぬ答えが返ってきた。そろそろ看護師転職のご提案

 「今が好きよ。テレビが好き。特にタケシ城」

 よくよく聞くと、昭和60年代に日本で人気を博したTBSの視聴者参加型バラエティー「痛快なりゆき番組 風雲!たけし城」が、インドのケーブルテレビで再放送されているそうだ。

 キンレイさん宅では、夕食中もテレビを流しっぱなしだ。息子は欧米のサッカーやプロレスに、娘はインドのドラマに夢中になっている。

 14年前に私がこの地を訪れたとき、ブータン人はインド人を蔑視(べっし)する傾向があるようだった。知人が道路建設作業員のインド人を指し、「彼らとは話すな」と私に注意してきたことがある。今、数十チャンネルあるテレビのほとんどがインドの番組だ。インド人に対する目は、キンレイさんの家庭内でも「お金に汚い人も多いが、いい人もいる」と変わってきた。

 今回の旅で、ブータン南端のインドとの国境の街、プンツォリンを歩いた。伝統建設を無視した無機質な雑居ビルが立ち並び、商店と車がひしめき合う。目が回るほどのモノ、モノ、モノ。常にどこかで車のクラクション音が聞こえ、排ガスがにおう。街中はインド人ばかりだ。ブータンの他の街とは全く違う雰囲気だった。

 ホテルをチェックアウトした後、部屋に洗濯済みの日本製の靴下を忘れたことを思いだした。ソナムさんも「窓のそばに置いてあった」という。2時間後に戻ると、ホテルの従業員は「なかった」の一点張りだった。

 私が「プンツォリンはブータンじゃなくてインドみたいだね」とブラック・ジョークを飛ばすと、ソナムさんは「この街はあまり好きじゃない。騒がしいし」と笑った。プンツォリン的な街並みは今後、ブータン全土を覆っていくのだろうか。ソナムさんは「そうなると思う・・・」と表情を曇らせた。

 だが、かく言う私とソナムさんも、プンツォリンの街で家族への土産を買いあさり、大いに満足したのだった。看護師転職を上手に利用するために(斉藤太郎)

【関連記事】
揺らぐ「幸せ者率97%」 変わりゆくブータン
変わりゆくブータン 山肌を駆け上るビル群
「昔」が離れていく ブータンのいま
1800キロ乗ってみた〜ベトナム統一鉄道の旅
外国人パワーを呼び込め 羽田が国際空港に

このブログ記事について

ひとつ前のブログ記事は「ロゴマークを大切にする中国企業」です。

次のブログ記事は「婚約指輪は必要?不要?」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。